GAbE

DATE:June 2012 / PLACE:THE LAST GALLERY / ARTIST: Nick Haymes

映画監督ガス・ヴァン・サントは或る日の午後、キャスティングオフィスの窓からスケートボードでビルに入ってくる当時14歳のゲイブ・ネヴィンスを見かける。ゲイブはそのビルで行われているガスの映画のキャスティング情報をスケートショップの店員から聞き、「エキストラの役かなにかでもあれば良い」くらいの気分で向かっていた。それがガスのカルト映画Paranoid Park (2007)の主役にゲイブが抜擢されたきっかけである…映画の主人公の役を手に入れたゲイブの短いサクセスとその後の転落ぶりはティーンの彼には過酷な人生であった。

18歳の誕生日を迎えたその日、役者としての仕事を探しにサンフランシスコ、ロスアンジェルスに旅立った彼を待っていたのは、ホームレスの路上生活、性的アイデンティティを疑い彷徨う日々、そして最後にはお決まりのドラック中毒であった。

『GAbE』はフォトグラファー、ニック・ヘイムスが2007年から2010年まで彼を追い続けたドキュメントである。彼に魅入られ、時には父親のような愛情を注ぎ苦悩する彼の“生”を捉えた写真集は“青春時代の光と影”であり、運命の悪戯がゲイブに与えたのは奇しくもガス・ヴァン・サントのマスターピースであるMy Private Idahoの実写版のようである。交流のあるガス・ヴァン・サントも写真集の序文を手がけ、ゲイブに初めて受けたインスピレーションなども寄せている。