handbag

DATE:September 2010 / PLACE:THE LAST GALLERY / ARTIST:Nampei Akaki

赤木楠平の展覧会”HANDBAG"は、今迄の彼のイメージを変化させ、彼が写真家であることを再認識させるものになるだろう。サウジアラビアやシンガポールで育ち、東京とロンドンで遊んだ彼は、言うなれば現代版の遊牧民で、日本に対する愛着や感覚は我々とは全く違う。常にどの国にいながらも異端であり、自らの文化のオリジナルを喪失して育まれた赤木のクリエイティビティーは、漠然とした祖国の文化への暗中模索的な日本文化への回帰でもある。30歳迄、真剣に死を厭うこともなく遊び惚けることに形作られた彼の写真は、単に抽象画的で美しいのではなく、そこに死の誘惑に現れる限りなく透明な色彩を表現しているから美しいのである。死の直前に誰もが最後に見る色彩。そう思いたくなるほどに吸い込まれるような色彩美。東京の街角に溢れる、原色の赤、青、黄、ピンク等の下品な色彩はここにはない。日本人が愛した繊細な色のグラデーション。トレインスポッティング的な生き様のから赤木楠平が得たものは、余りにも日本的な “死にぞこないの美学”ではなかったのだろうか。

THE LAST GALLERY 代表 林 文浩